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登板か温存か、監督の投手起用法
たわらや内科 俵谷 幸蔵
  令和元年7月25日、岩手県の大船渡高校のプロ野球のドラフト候補・最速163キロ右腕・佐々木朗希投手(3年)が、全国高校野球選手権大会(甲子園大会)出場まであと1勝としていた花巻東高校との決勝戦で温存され、2対12で敗れた。
  佐々木投手は、前日の準決勝直前、県・日本高等学校野球連盟(高野連)の医療スタッフに右肘の違和感を訴えていたとのことであるが、その日は9回完投の好内容であった。
  しかし、決勝戦で32歳の監督がエース佐々木投手を起用せずにチームが敗れたことで、日本全国に賛否両論が渦巻いた。
  さて、昨夏の第100回甲子園大会で準優勝した本県代表の金足農業高校(金農)の吉田輝星投手は、炎天下で歴代2位の投球数881球(6試合、1試合平均147球)を投げ、しかも金農は9人同じメンバーで次々と強豪校を破った。その快進撃が全国各地に金農フィーバーを巻き起こし、日本人に感動を生み出したことは記憶に新しい。
  一方で、大会終了後の高野連の会議で「連投や過度な投球数が、成長過程にある高校球児の肉体を消耗させ、肩や肘などに故障を生じさせる」ことが、議題に上ったとのことである。このことは、以前より何度も複数の投手を交代で登板させるように監督や部長に通達されていたはずであるが、日本人はなぜか高校球児の激闘や死闘に感動したり、美化する傾向がある。
  余談ではあるが、私が在学していた頃の秋田高校は、昭和40年夏の第47回甲子園大会で準決勝まで進んだ。三池工業高校に初回4点を奪われ4対3で負けたが、先発・左腕の鎧、リリーフ・右腕の大久保という投手2枚看板は、当時の高校野球チームとしては珍しかった。5回か6回頃になると、必ず大久保投手が颯爽とマウンドに上がり、ピシャッと0点に抑えるのである。野球中継の解説者も驚いて、8時半の男といわれたプロ野球・元巨人の名リリーフ宮田投手に倣って、思わず、秋田の宮田投手と叫んだ。ベスト4に残ったチームの中で、投手力、打力を含め総合力で一番と評価されながら優勝はかなわなかったが、投手の分業は当時の高野連からも高く評価された。
  あれから50年以上経つが、高校球児の連投や過度な投球数は、未だに毎年、話題に上る。米国、シカゴ・カブスのダルビッシュ有投手は、「佐々木君の未来を守ったのは、勇気ある行動」と評価しているが、他方「選手たちが甲子園に行きたい、勝ちたいという願望を監督が奪っていいのか」という意見もある。
  ちなみに、大船渡高校の監督は米国の独立リーグでの野球経験があり、考え方も米国流になったという人もいるが、佐々木投手は大阪桐蔭高校や横浜高校などの野球名門校ならいざ知らず、片田舎の県立高校のエースだったことが幸いし、温存できたのかもしれない。
  それにしても、日本人が高校野球に熱心なのはよいが、球児が投げ過ぎなど体を壊してまで勝負にこだわるのはいかがなものでしょうか。
  大船渡高校監督の勇気ある決断に頭が下がる思いであるが、今後、もう少し余裕のある試合日程にすることも一案ではないかと考える。
  次は、遠山医院院長の遠山潤先生にお願い致します。


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