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Afterword to the Newsletter: [Pen Relay]
  秋田市医師会報のあとがき「ペンリレー」のご紹介です。
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日本の伝統文化
秋田県立脳血管研究センター 西野 京子
 母がお琴とお花を教えていたので、小さい時から常に身近にありました。

 私は美的感覚に関しては父に似ていました。私が生けた花の1本の向きを母がちょっと変えただけで、「私はこんなにきれいなのよ」と花が語りかけるのを見て、生け花は挫折しました。高校生の時でした。

 お琴を子守唄として育ちました。お稽古は厳しく、幼稚園のころは、「この曲が弾けるようになるまでおやつはだめ」と言われ、泣きながらお稽古をした記憶があります。母は有志を募り、三曲会を立ち上げ、毎年文化祭に演奏会を行いました。母と私の二部合奏の写真がたくさんあります。このころの母は最高に輝いていました。小さかった私と一緒に二部合奏をするのがどんなに楽しかったことでしょう。しかし母は私に音楽の道に進むことは望みませんでした。音楽で生きるということがどんなに大変なことかわかっていて、一人で生きていける技術をもつことを望みました。医学部に入り、家を離れたときに、お琴を1面持ってきました。母が4-5才でお琴を始めた時、祖父が最初に買ってくれたものなので、もう80年くらい前のものです。学生時代は、クラブ活動(卓球部)に熱中していたため、琴は時折弾くだけでした。同級生の女性は、解剖実習が終わると、皆お茶を習い始めました。私もつられて習うことにしました。麻酔科に入り、左手中指の感覚が、動脈、静脈穿刺に大切であることがわかり、お琴を本気で続けることはあきらめました。しかし、デューク大学に留学した時は、そのお琴を持って行きました。お琴が縁で、夫婦でお琴と尺八をやっているアメリカ人の友達ができました。母を呼び寄せ、ノースカロライナ大学で演奏会を行ったことはとてもいい思い出です。彼らはその後、日本に留学して山本邦山と宮城派に師事し、8年後には師範を取得してアメリカに戻りました。私はその後お琴からしばらく離れておりましたが、諸事情により、昨年より母と同居することになり、またお琴のある生活に戻りました。母が生きている間にまた一緒に二部合奏をしたい。三弦も習いたい。しかし、お琴と三弦では母を超えることはできませんので、尺八を習ってみたいとも思っています。
お茶は一番長く続いています、母は小さい頃宗遍流をやっており、家元の前でお手前をしたことがあると言っていました。しかし、私に対しては、「お茶は飲み方を覚えればいい。それ以上は必要ない」と言い、お茶を続けることはあまり賛成しませんでした。が、今まで続けています。
 お茶は日本の伝統文化の総集だと思います。お茶を習う前は、何でお茶碗は右回しでなければいけないんだろう。どうして右足から立たなければいけないんだろうと思ったものでした。確かに右まわしでも左まわしでもお茶は飲めます。左足から立って何が問題あるのでしょう。お茶の所作にはそれぞれ意味があります。洗練された無駄のない動きです。すぐれた茶人のお手前を見ていると、神の手の外科手術を見ているようで、本当に無駄がありません。また、始める前にすべての場合を想定して準備をします。これは麻酔の準備につながるものがあります。すばらしい先生に恵まれたため、月に1-2回しか行けなくても、どうにか続けています。お茶をやっていると、茶碗、軸、花、日本料理、和菓子、着物等、さまざまな日本の伝統文化を学びます。私の先生は、季節ごとにお懐石のお稽古をしてくださいます。夏は朝茶事、秋は口切、冬は夜咄(よばなし)、春は正午の茶事。一碗のお茶を差し上げるためにさまざまな準備をします。単にお手前の順序で四苦八苦していたときはわからなかったのですが、お懐石をやってはじめてお茶の楽しさを知ることができました。それに加え、初釜、利休忌、炉開き等、1年中いろいろな楽しみがあります。
 私にとってお茶とは、日本の伝統文化を学ぶこと、非日常の世界に自分を置くこと、そして忍耐を学ぶことです。


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