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Afterword to the Newsletter: [Pen Relay]
  秋田市医師会報のあとがき「ペンリレー」のご紹介です。
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秋田厚生医療センター 小西 奈津雄
  音楽を聴くとき、自宅で椅子に座り、きちんとしたオーディオシステムで聴く場合もあれば、モバイルデバイスで再生しイヤホンで聴くこともあります。また通勤やドライブ中にカーオーディオで聴くことも。自分も年をとったのか、最近の歌はほとんど判りません。と言うか、新しいジャンルの歌を聴く機会が少なくなってきました。子供たちが話題にする歌のタイトルもバンド名も聴いたことがないものばかりです。新しい歌は知らないけれど、古い歌はよく聴きます。誰にでも思い出の曲や記憶の残る歌があると思いますが、私は平成元年に大学を卒業したので、いわゆる青春時代に聴いた歌は基本的には「昭和歌謡」がほとんどです。さらに言えば、洋楽派ではなかったのでいわゆる「歌謡曲」にはじまり、山下達郎、浜田省吾、佐野元春や大滝詠一など聴いていました。
  今ではほぼ「死語」とも言えるこの「歌謡曲」というジャンル。演歌でも無く、ロックでも無く、フォークでもありません。普遍的な言い方をすれば「ポピュラーソング」ということになるのですが、もちろん最近のJ-POPとはまるで違います。現代のどのジャンルにも振り分けられない、それでいていろいろな要素も含む、ハイブリッドなカテゴリーなのです。そんな昭和歌謡の良さの一つに歌詞の美しさや歌の持つ世界観の大きさなどがあります。
  昭和歌謡の中で私が名曲だと思うのはちあきなおみの「喝采」です。作詞:吉田旺、作曲:中村泰士で1972年9月に日本コロムビアから発売されました。この年の前半に発売された小柳ルミ子の「瀬戸の花嫁」を押さえ、発売から3ヵ月で見事日本レコード大賞を受賞しました。ちなみに吉田旺はクールファイブの「東京砂漠」の作詞者でもあり、中村泰士は細川たかしの「北酒場」のほか、秋田県初のアイドル・桜田淳子に「私の青い鳥」をはじめ、たくさんの楽曲を提供しています。1972年の発売なので私はリアルタイムにこの歌を記憶しているわけではありませんが、一度聴けば耳に残るメロディーと心に浮かぶ情景が印象的です。
  歌の内容は、かつて恋人と別れ(恋を捨て)、上京し「恋の歌」で売れる歌手になった「私」に元恋人の悲報が届き、その葬儀に参列する時の教会での情景を歌った歌です。自身は夢の実現のため恋を捨てたのに、皮肉にも恋の歌でブレイクし、夢を叶えたわけです。何かを得るには大切なものを捨て去ったり、犠牲にしなければならない、ショービジネスの厳しさ、その一方で潜在的に存在する虚構性をも皮肉っています。歌を聴いて目に浮かぶ教会の情景はまるで映画の1シーンのようです。いや、真面目な話、良い脚本と主演女優がいたらすばらしい映画が1本撮れること間違いなしです。
  もう少し後になるとヤマハのポプコン上がりの歌が出てきます。庄野真代・中島みゆき・八神純子・世良公則・佐野元春・チャゲ&飛鳥・あみんなどポプコンから大きく羽ばたいたミュージシャンも居ますが、いわゆる「一発屋」で終わった人もいます。しかし70年代の日本のポップシーンを牽引したのは間違いなく、ポプコンでした。その中で個人的に特に印象に残ってる歌が2曲あります。
  一つは第11回(1976年)優秀曲賞受賞の根田成一「哀しみのバラード」です。実はこの歌、高校生の頃から長い間、題名も歌手名もわからず、 ただその印象的な歌いだしの 「北へ、北へ、北へ、行く船の~」 というフレーズが頭から離れず、ずっと気になっていたのです。2009年、ふとググってみたらなんと出てきたんですね。ネットで見てみると私と同じように何年も気になって探していた人もいたりして、ああ、やっぱり同じような人がいるんだと妙に感慨に耽ったものです。しかもこの根田成一氏にはさらにオチがあって、2010年頃、当時私は大館に住んでいたのですが、地元の新聞のコラムに、この根田氏の事が載っているのを発見しました。なんと、大館出身だったのです。灯台下暗し、ではありませんが意外な事実に二度ビックリでした。
  さてもう1曲は第15回(1978年)入賞曲の柴田まゆみ「白いページの中に」です。この歌もなぜか頭から離れません。柴田まゆみの歌声と美しいメロディラインがなんとも心地良いのです。内容はやはり「失恋」というか「別れ」の歌だと思うのですが、当時の柴田まゆみがまだ19歳だと知って、これまた二度ビックリしたものです。昔のハイティーンは大人でしたね。
  古いモノの中にも価値のあるモノ、忘れてはいけないモノがあります。平成の世になってはや四半世紀以上が過ぎました。世の中にはどんどん新しいモノが生み出され、消費され、過去のものになっていきます。その中で音楽や歌はずっと残っていきます。多忙な日常の中、たまに立ち止まってちょっとスローペースな昭和の薫りに触れるのも良いかもしれません。


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