本会報表紙への写真(絵)をご提供してくださっている会員先生へは感謝申し上げます。 カメラ史というタイトルですが、カメラが趣味ではありません。最近実家で整理する機会があり、昔の写真が少ないことに気づきました。それは単に家にカメラがなかったからです。一人に1台(以上)スマホがありすぐに写真を撮ることのできる今では考えられないことですが、当時カメラがないことは珍しくはなく、お出かけすることも少なかった我が家は別にカメラがなくとも不自由なく暮らしていました(正しくは壊れて使えないカメラはありました)。 その頃写真を撮るのは親戚の集まりぐらいでしたが、8ミリカメラが趣味の伯父が記録係的となっていたので他のものがカメラを持ち込んで写していた記憶もありません。白黒で音無だったものがカラーで音声も入るようにもなった時には感動ものでした。その後ビデオカメラの時代となり、我が家はカメラがなかったものの、ビデオカメラの導入は相当早かったのですが、今では考えられないほどの大掛かりのもので、ロケハンみたいにカメラを肩に担ぎ、有線で繋がったでかい本体を持つアシスタントまで必要でした。バッテリーも大きく重く、それで使用時間は短いものの、記録テープも短時間のものでも安くはなかったので、ちょうどバランスが取れていました。その当時購入したのがベータでしばらく買い替えもベータで粘りましたが主流はVHSになり、とうとうVHSに乗り換えてしまったため、苦労して撮影をしたけれど見ることもできなくなり今ではテープすら残っていません。 その後使い捨てカメラが登場し、自分で撮った写真が存在するようなりましたが、ピンボケや撮ったつもりのものが写っていなかったりと多くは没となるのでアルバムに入れて残せるものは限られたものだけでした。働き始めて何か趣味を持とうと思い一眼レフカメラを購入しましたが、そもそも芸術的なセンスは持ち合わせていませんので、人様に披露できる写真は撮れることはなく、フィルム代、現像代、焼き増し代などが負担となり、そのカメラもケースから出たのは数回で下取りに出してデジカメへと姿を変えました。 デジカメも高画質のものを選んでも、結局手持ちの安価なプリンターで印刷するのでその性能が発揮できず、写真屋さんでのプリントでないので今では色褪せてしまっています。最近はスマホのカメラでいつでもいくらでも撮ることができますが、その便利さのあまりつい撮ってしまい探し出したり見返したりとすることなくデータに埋もれてしまっています。
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