平成最後の年明けを迎えました。皆様は平成の30年間をどのように振り返っていますか?毎年12月に京都清水寺の貫主さんが巨大な和紙に漢字一文字を揮毫するのは世相を反映する指標として注目されます。平成7年より開始、その一文字は日本漢字検定協会が全国公募して決められています。(注)決して貫主さんの思いつきで書いているのではありません。そこで「平成」をその「今年の漢字」で振り返ってみたいと思います。 平成7年「震」:阪神淡路大震災発生、地下鉄サリン事件など世界に震撼と衝撃を与えました。我が家にも激震が走った年です。父が病に倒れ医師となってわずか3年の私は開業することになりました。 平成9年「倒」:北海道拓殖銀行、山一證券をはじめ、相次ぐ大型企業の倒産。サッカー日本代表がアジア地区予選で強豪国を倒しW杯初出場。前回大会予選のドーハの悲劇を観て卒倒した私は喜びで絶倒しました。 平成13年「戦」:アメリカ同時多発テロ事件発生。崩れ落ちる国際貿易センタービルの映像に世界は怒りと恐怖を感じました。アフガニスタン侵攻(対テロ戦争)を宣言した当時のブッシュ大統領が強固に戦う戦士のように見えました。 平成15年「虎」:阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝。大の虎党だった父は毎晩タイガースのハッピを纏いメガホン片手に応援。その光景が今でも目に浮かびます。 平成19年「偽」:大手菓子メーカー「不二家」、「白い恋人」、「赤福餅」などの食品表示偽装が発覚。年金記録、防衛省虚偽報告問題の発覚。これを機に食品の賞味期限を確認するようになった方が増えたと言われています。 平成21年「新」:民主党による新政権発足。オバマ新大統領就任。裁判員制度や高速料金割引などの新制度の施行。我々にとっては「新型インフルエンザ」の流行で振り回された年でしたね。 平成23年「絆」:「東日本大震災」があった年です。もうすぐ8年が経過しようとしていますが、いまだに行方不明の方達、仮設住宅で暮らす方達、原発の廃炉問題など復興するのにはまだ時間がかかると思われます。国内外からの多大な支援等、人と人との「絆」の大切さを改めて感じた年でした。平成16年と昨年は「災」という字が選出されています。両年とも地震や豪雨などの自然災害に見舞われた年です。この年に「災」ではなく「絆」が選出されたのには、復興を願う強い気持ちが込められていたと思います。 以上紙面の都合上、掻い摘んでではありますが私なりに「平成」を振り返ってみました。何か不幸や不安を滲ませる漢字ばかりだったような気がします。新元号に変わる今年からは幸せと期待を感じる一文字が選出されることを願いたいと思います。
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