本稿が皆様のお手元に届く頃には、イチロー選手が大リーグ通算3000本安打の偉業を達成していると思います。(8/1現在2998安打)日米通算安打数については議論しても意味はありません。MLBで3000本安打が凄い事なのです。MLB150年の長い歴史の中、僅か29人しか達成していません。そしてその内26人が最高の名誉である野球殿堂入りを果たしています。殿堂入りしていない3人中2人は現役引退後5年以上という資格がないだけです。(いずれ殿堂入り確実)もう1人は野球賭博に関わり永久追放された最多安打記録を持つ某氏です。(こちらは無理でしょう)つまりイチロー選手は確実に近い将来日本人初のMLB殿堂入り選手となるのです。 私は彼が大ブレークした1994年(日本プロ野球初の年間200本安打達成)以来のファンです。プレーぶりは勿論ですが、節目ごとに残す「名言」に魅力を感じます。修行僧の如く凡人には解りづらい哲学的な発言が多いのですが、時にはウィットに富んでいてアイロニーを込めている事もあります。そんなあまり知られていない「名言?」を紹介します。 <高校三年春甲子園出場を前にして>「センター前だったらいつでも打てるのでたまにホームラン狙います。」(ちなみにこの地方大会の打率は驚異の7割越え) <1995年契約更改時年俸が10倍になって>「愛車セットが欲しいです。」(野球道具を大切に扱うのは有名だが車も同様) <MLB初安打の感想を聞かれ>「キモかった。」(記念すべき安打より監督の祝福のキスの方にインパクトがあった) <今流行りの筋トレは?と聞かれ>「必要ナイッショ。だってライオンとかチーターが筋トレしますか?」(狙った球を仕留めるのに無理な筋力Upは必要ない) <日米通算での最多安打記録更新後>「MLB記録を更新するなら紳士的な方にしてもらいたいです。」(散々ケチ付けた最多安打記録保持者の某氏を皮肉って?) 「天才」とは生まれつき備わっている並外れた才能の例えです。彼は「天才」と称される事を嫌います。「僕は天才ではない。なぜならどうしてヒットが打てるか説明出来るからです。」このコメントは発明王トーマス・エジソンの名言「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」に近いと思います。彼は現在MLBプレーヤーの中で最もリスペクトされている存在です。誰もがその努力している姿を知っているからでしょう。 さて今後の彼の目標は何でしょう。年齢は42歳、引退については「自分の限界を見たら」と発言していますが、「攻守走」どれをとってもまだ衰えていません。一説には50歳まで現役をという声も聞かれますが、彼の場合可能な気がしてなりません。でも本当に欲しいのは個人記録ではなく、まだ持っていないワールドシリーズチャンピオンというチームの称号だと思います。
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