もともとパソコンを導入したのは早い方だった。当時はNECのPC9801VM2。プリンター含めて一式70万円以上を月賦で支払った。まだWindowsではないMS-DOSでワープロ、表計算程度だったが、コンピューター時代の幕開け、まるで「2001年宇宙の旅」に出てくるHAL9000と対峙しているようでワクワクしたことを憶えている。 次の革命は何といってもインターネットだろう。今はなきNetscapeで、まさにモニターの向こうにネット空間の風景が拡がっていく感じがした。今では、いろいろな情報検索やAmazon、ヤフオクなど、生活に欠かせない当たり前のものになってしまった。 しかしだ。スマホにだけは乗り遅れていた。電車に乗れば、ほぼ皆がそれぞれの端末と対面している異様さ。ガラケーで十分。デジタル機器に支配され、SNS空間に住むような社会は如何なものかと思っていた。だいいち子供の教育上悪いかと。 それが、平成24年初夏、職場の納涼会のクジ引きで1位になり、いただいた景品がiPad。実は初めは何に使うのかもピンときていなかった。Wi-Fiって何かも知らなかった。やがて、手軽に持ち運べる、ほぼパソコンと同等なものであることに気づくと、iPadを持ち歩かない日はなくなってしまった。さらにコンパクトにと、3年前ついにスマホデビュー。アップルがiPhoneを発売して既に8年が経っていた。 何が凄いのか。ポケットに入る手のひらサイズの端末で、あらゆる情報にアクセスでき、きれいな写真が撮れ、メールを送り、航空機やホテルも予約でき、勝手知らずの大都会でも目的地にたどり着け、銀行振り込みや投資もできてしまう。アプリもどんどん進化している。今後はキャッシュレス化が急速に進むだろうし、ウェアラブルも普及しそうだ。 ふと気づくと、便利なものというよりも身体の一部になってしまっている。スマホを忘れたときの不安感。完全に中毒ですな。これでは子供にしめしがつかないなあと思うと、子供たちはすでにタブレットなどを使いこなし、もっと先に行っている。AIだって実用化され、HAL9000を地で行く日も近い。 そうか、IT進化はもう止まらない流れ。というよりも、すでにITがなければ社会も世界も成り立たなくなっている。IT弱者にはなかなか厳しい世の中となるだろう。どうすべきか。ITに支配されるのではなく、理解して使いこなしていきたい。セキュリティーの確立やサイバー攻撃への対処も重要になってくるだろう。そのためには、体系的な知識が必要。子供たちや御老人だけでなく、自分にもIT教育が欲しい。でもまあ当面独学しかないのかなあ。
|