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<春夏秋冬>

発行日2022/06/10
秋田赤十字病院  下田 直威
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クルマこれから
 
 今月は愛車の2回目の車検がある。来週には入庫させることになっている。つまり新車登録から5年経ったことになる。以前なら、そろそろ次期FX策定だと、自動車雑誌などを集め、あれこれ妄想を膨らませ、妻の説得に砕身したものだが、このたびは全く考えていない。車検をとって乗り続けるつもりでいる。
 若いころはパワーのあるツインカムターボのスポーツセダンを乗り継いでいた。子供たちとキャンプなどに行くようになってSUVに替えた。また、子供たちのスポ少活動にかかわるようなころにはミニバンにした。そして今ではコンパクト・ミニバンに分類される1500ccハイブリッド車である。高速道路や峠道で余裕を持てるパワーはない。しかし燃費はすこぶるよい。取り回しもよく、駐車場で苦労することはない。趣味のロードバイクも荷物も運べる。今ではたまにしか家族を乗せない、ほぼ御一人様用として十分である。特に不満はない。そりゃあ高級なスポーツカーだって欲しくないわけではない。でもたぶん持て余してしまうだろう(それ以前に経済的事情もあるが)。
 もともと、メカ、飛行機、オートバイ、クルマなどが大好きな少年だった。いつかボンドカーのような多機能スーパーカーに乗って旅してみたいと夢見たこともあった。しかし、スパイ大作戦に使用するのでなければ、007映画に出るくらいのパワーのクルマは今ではその気になれば誰でも手に入れられる。エンジン性能や電子制御による走行性能の進歩は素晴らしいし、運転アシストなどの安全機能は今や普通になり、自動運転もかなりのところまできているようだ。
 なにより私が感動したのは初めてカーナビを装着したときである。昔は道路地図を膝の上にのせてチラチラ見ながら運転したこともあったが、目的地を入力すると、コースを選んで案内してくれるし、間違えてもすぐに計算し直して案内してくれる。道に迷う心配がなく、ドライブが非常に楽になった。エンジンや足回りの性能向上に加えてITがクルマの機能を進化させているといえる。
 さて、今や世の中エコやSDGsが大義名分を得てしまっている。自動車メーカー各社もカーボンニュートラル達成に舵を切った。略称が紛らわしいが、要はガソリン車はもちろん、ハイブリッド車(HV・HEV)やコンセントからの充電が可能でガソリンでも電気でも走れるPHV・PHEVから、バッテリーだけの電動車EV・BEVに切り替えていく流れらしい。あるいは水素を使った燃料電池車FCVも普及するだろう。二酸化炭素を排出しないクルマは結構だが、発電が風力や太陽光で賄いきれるとは思えず、化石燃料を利用している限りは結局同じことなのではなかろうか。また電池の生産もそれなりの環境負荷があると聞く。自動車関連産業の大変革は国内経済に大打撃を与えそうだし、内燃機関の爽快な鼓動がなくなるのは個人的には寂しい。ともかく真冬の秋田の吹雪の中でバッテリー切れになるのは御免である。
 
 春夏秋冬 <クルマこれから> から