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<春夏秋冬>

発行日2020/10/10
東通り こどもとアレルギーのクリニック  小松 真紀
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マスク雑感
 
  今期より会報の編集メンバーとなりこの「春夏秋冬」も順番で担当することになりました(なってしまいました)。自粛しているうちにあっという間に「春」「夏」が過ぎそして「秋」が終わってしまいつつあります。インフルエンザとの同時流行も懸念される「冬」はもう間近です。色々なことが大きく変わりましたが、マスクの着用率はその最たるものでしょう。夏になってもマスクをしていない人を見つけるのが難しいくらいでした。
  世界ではマスク着用を強要することに反対する動きもあったりしますが、日本ではすっかり定着し、外出時にマスクをするのは当たり前。以前は銀行や深夜のコンビニにマスクでの入店は不審者と思われても仕方がありませんでしたが、今ではマスクをしていないほうが目立ちます。また、黒やグレーのマスクには近寄り難い雰囲気がありましたが、もう見慣れました。考えてみると「白衣」も研修医の先生方がカラフルなスクラブを着出した時には白くないことに抵抗がありましたが、いつの間にか自分も白ではなくなっていました。
  職業柄マスクは必須アイテムですが、外来診療時にルーチンでマスクをするようになったのはここ数年のことです。むしろ小児科ではマスクをしていると子どもが怖がるということもいわれたこともあり、特定の処置の時だけの最小限にとどめる傾向も一時期ありました。また、これまでは自分は普段でマスクをすることはほとんどありませんでした。その理由の一つとして、診察室で一日中熱や咳など浴びながら接しているのに比べると、院外のオープンスペースではその必要性を感じず、時にはインフルエンザ流行期でも飛行機に乗る際にマスクをする意識はほとんどありませんでした。
  学生の時のことになりますが海外旅行に行く前日に発熱。当日には微熱になり、当然キャンセルという選択肢は持ち合わせず出発。今なら成田空港のサーモセンサーでアウトになってしまっていたでしょう。絶不調のコンディションの中のイタリア観光。ヴェネチアではカーニバルの仮面が売られていて、その中でくちばしの尖った他とテイストが違うものがありました。それが何であるかは分からないでいましたが、今回の新型コロナに関連して池上さんのニュース解説で、昔ペストが流行った時に医者が防護用として使ったということを知りました。くちばしの部分に薬草を入れて臭いを防ぎ、丸く開いた目のところにはガラスもはめられていたようです。今でいうサージカルマスク(できればN95マスクにしたいが)+ゴーグル+フェースシールド一体型といったところですが、昔も今も基本的なところはそんなに変わっていない感じもします。
  まだまだこの状況は続きそうですが、未来の人たちが今の時代の写真(もうその頃には写真自体が過去のものかもしれません)を見て、「どうしてみんな、いつでもどこでもマスクしているんだ?」と思うかも。その前に去年の夏はマスクしていたなという来年になっていて欲しいいものです。
 
 春夏秋冬 <マスク雑感> から