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<ペンリレー>

発行日2024/09/10
今村記念クリニック  田村 康樹
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「健康寿命日本一」達成のためにインセンティブ制度の導入を!
 
 同じ職場の後藤敦子先生から「合気道の達人」と紹介され、ペンリレーのバトンを渡された今村記念クリニックの田村康樹です。もちろん達人、というのは冗談としても、学生時代に始めた合気道の稽古を細く長く、今でも週2回ほどのペースで続けているのは事実で(転勤などの度に何度も中断しながらですが)、何より稽古の後にいい汗をかいてから飲むビールが最高!にうまく、これこそが自分の健康作りに大いに役立っていると自負している今日この頃です。
 「運動」が健康維持に役立つということについて、医師である皆様には賛同いただけるものと思います。もちろん何事にも好き嫌いはつきものですので、運動やスポーツが嫌い、という人も中にはいるかとは思いますが、運動が健康に及ぼす好影響について様々な機会に目や耳にすることも多いと思います。私は整形外科医ですので、特に骨や筋肉を健康に保つためには適度な運動やリハビリテーションが重要であることを患者さんに話す機会が多いのですが、整形疾患以外でも高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や認知症対策など、多くの医師が患者さんに対して運動の必要性を説く場面は多いものと思います。しかしながら、、果たしてどこまで響いているのか、むなしく感じる事はないですか? 私は秋田県医師会の広報委員という立場でもあるため、自分の診療以外でもこれまで様々な機会に運動の大切さについて話してきたつもりではありますが、結局のところ運動習慣のある人は言われなくてもやる、そうでない人には何を言っても響いていないのではないかと思われ、、。そこで考えたのが、運動することや運動以外でも健康維持に役立つ活動に対し、何かしらのインセンティブがついたらいいんじゃないかな?という発想です。運動と言ってもいろいろですが、例えばウォーキングであれば歩いた歩数に応じて様々な疾病予防効果があると言われていますので(4000歩でうつ病、5000歩では心疾患、脳卒中、認知症などの予防効果など)、歩数に応じてポイントを付与し、たまったポイントは何かしらの形で本人に還元されるようなシステムがあればいいのではないかと考えました。歩数だけでなく様々なスポーツ活動や、他に癌や骨粗鬆症などの検診参加者に対しポイントをつけてもいいかもしれません。後日ポイントを使って買い物ができるとか、公的な施設の入場料として使えるとか、、。何かしら自分にとってお得になることが実感できれば(もちろん運動や検診への参加自体が自分にとってお得になることなのですが)、今まで第一歩が重かった高齢者の腰を上げるためのよい後押しになるのではないでしょうか。
 インセンティブ制度、の実現には予算が必要です。日本一の少子高齢県である秋田県が掲げているスローガンである「健康寿命日本一」を目指すためにも、運動する高齢者が増えることで各種疾患の予防ができるならば、行政にとっても「健康寿命日本一」の実現だけでなく将来的には医療費の削減、さらには社会保障費全体の削減にも繋がるというメリットになるはずです。ポイントの活用の仕方によっては、街の活性化、にも役立つかもしれません。我々医師会が行政へ働きかけ、後押しする形でインセンティブ制度実現に向けて取り組んでみる、というのはどうでしょう。
 次回のペンリレーは、私の考えに賛同してくれそうな同じ広報委員のアイディアマンである富樫先生にバトンを渡します。富樫先生、いいアイディアをよろしくお願いします。
 
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