秋田市医師会報

＜ペンリレー＞	発行日2023/12/10
秋田厚生医療センター　　清宮　美貴
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似てない･･･双子？

　はじめまして、秋田厚生医療センター１年目研修医の清宮美貴です。私は二卵性の女同士の双子で、予定より二ヶ月早く1500gと小さめで生まれました。しばらくはNICUのお世話になっていて、幼い頃から母に当時の話をよく聞いたものです。そこから医療職に関心を持ち、医師を志し、現在に至ります。ペンリレーのお題が自由ということで何を書くか非常に悩んだのですが、今回は双子でよく聞かれることについて書こうと思います。
　まず、必ず聞かれると言っても過言ではない質問が、どちらが姉なのかです。私達は帝王切開で生まれたため姉妹といっても実際にはほんの十数秒ほどの差しかありません。一応私が妹ということになっていますが、位置的に産婦人科の先生が取り出しづらかったので後になったのだろうと勝手に推測しています。言ってしまえばただの運なのに、姉の方は『私がお姉ちゃんだからしっかりしないと』と、特に小学校に上がるくらいまで一生懸命私のお世話をしてくれていた記憶があります。
　次によく聞かれるのは、入れ替わったりしていたずらしたことがあるかです。答えはノーで、したかったけどできなかったというのが正しいです。理由はあまりにも私達が似ておらず、一瞬でばれてしまうからです。双子と聞くと、顔や背格好がそっくりで見分けるのが困難なイメージを持たれる方が多いと思いますが、二卵性の私たちは全く似ていません。身長差は10センチほどありますし、私が垂れ目なのに対し、姉は猫っぽい目で顔の印象もかなり違います。高校生までは髪型が似ていたのでぎりぎり雰囲気で誤魔化せていましたが、大学を卒業し、髪色もメイクも大きく異なる今、私たちをみて双子だと気づく人は残念ながらほぼいません。
　その他によく聞かれるのは、喧嘩はするか、お互いをどう呼ぶのか、服はおそろいで買うのかなどです。今でこそ喧嘩はしませんが、高校生までは頻繁に小競り合いを繰り返していました。これは他の兄弟姉妹と特に変わらないと思います。お互いのことは名前で呼んでいますが、私が〇〇ちゃんと呼ぶのに対し、姉は私を呼び捨てにします。服はおそろいで買うこともありますし、同じ種類を色違いで二つ買って交換しあったりもします。さすがにお揃いの服装で出かけることはもうありませんが、偶然服装が似ていたり、お互い買ってきたものが一緒だったということはあります。
　少し困っているのが、双子の姉について簡潔でわかりやすい表現がないことです。双子の姉がいると話すと、私に姉が２人いてその２人が双子の場合と、私自身が双子で妹にあたる場合の二つが考えられます。今回のペンリレーのようにただ姉と表現するのが一番簡単ですが、私には４つ上にも姉がいるためどちらの話か非常に紛らわしいです。結果、「私双子なんですけど、その双子の姉が…」と毎回舌を噛みそうになりながら説明することにしています。双子として生まれて26年経ちますが未だに良い表現が見つかっていません。どなたか良い表現があればぜひ教えてください。
　以上、双子でよくきかれることについて書いてみました。色々と比べられて大変なこともありますが、基本的に双子はとても楽しいです。長々と駄文を失礼いたしました。次のバトンを同期研修医の宮下裕美先生に託し、ペンリレーを締めさせていただきます。

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