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<ペンリレー>

発行日2023/12/10
中通総合病院  佐藤 花音
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日曜音楽家
 
 会員の皆様、はじめまして。私は中通総合病院初期研修医1年目の佐藤花音と申します。ときおり間違われますが、「かおん」ではなく「かのん」と読みます。何卒よろしくお願いいたします。出身は秋田県由利本荘市で、雪の茅舎の酒蔵の近くの生まれです。秋田大学医学部を令和5年3月に卒業し初期研修を開始して、はや半年が過ぎてしまいました。幸いなことに、ご指導いただける先生方や切磋琢磨できる同期研修医たちに恵まれて、日々の成長を感じなくもない毎日を送っています。
 私が自己紹介として語ることができるのはただ一つ、私の趣味についてです。私は「日曜大工」ならぬ「日曜演奏家」を趣味にしています。いったい何を演奏するのかといいますと、ケーナという南米の管楽器をメインに演奏しています。秋田大学には南米民族音楽サークルなるものが存在しておりまして、かく言う私も在学6年間、南米民族音楽いわゆるフォルクローレにどっぷり浸かっておりました。大学入学と同時に始めたケーナも、7年も吹けばそれなりに聞こえるもので、医師として働き始めてからもありがたいことに人前で演奏する機会をもつことができ、楽しい演奏ライフを満喫しております。
 高校生のころから民族音楽に興味があり、特にアメリカンフォークやケルト音楽が大好きでした。ケルト音楽、ご存じでしょうか。人に説明するときには「無印良品の店内BGM」と説明するとたいていの人に納得していただけます。独特の旋律と哀愁が大好きで、古くはThe Bothy Band、新しいものではFlookというケルティックバンドをよく聞いていて、大学生になったらフィドルやアイリッシュフルート、クラシックギターなんか始めてみたいと思っていました。残念ながら秋田大学にはケルト音楽研究会は存在せず、代わりに見つけたのが南米民族音楽サークルでした。それまで南米民族音楽には触れたことがなく、何となくで入部を決めてから初めてフォルクローレを聞きました。有名なところだと「コンドルは飛んで行く」や「花まつり」、「コーヒールンバ」といった曲ですね。ある一定の年代以上の方々には、あぁあの曲ね、とうなずいていただけるのではないでしょうか。フォルクローレの魅力といったら、やはり南米の土地や人々の歴史が、音楽に強く反映されているところではないでしょうか。もともと住んでいた原住民と、侵攻した白人たちと、連行されたアフリカ系黒人奴隷たちのリズムや音楽が渾然一体としているのが感じられ、歴史と音楽が一体となっているのが耳で分かります。曲を聴くだけでどの時代、どの地域で流行したものかある程度推測できるのがとても面白いと感じます。
 勉学もほどほどに6年間打ち込んだ音楽活動ですが、大学のサークルを指導してくださっていて、秋田市を拠点に音楽活動をされている、あるまんど山平さんに卒後も拾っていただき、彼のバンドのBell Vientosとしていまだに細々と音楽活動を続けています。秋田県内をメインに、ときおり岩手や福島など県外にも足を運び、Belle Vientosとして演奏しております。まだまだ感染対策は必要ですが、最近はコロナ禍も一段落となったのか、どんどん演奏依頼が増えてきていて、うれしい悲鳴をあげているところです。今後何処かでカラフルでおかしなポンチョを着て演奏する楽団を見かけることがありましたら、もしかしたら我々かもしれません。お見かけの際にはぜひお声がけください。
 日々の研修がどれだけ忙しくとも、疲れていようとも、週末の演奏が私を癒してくれています。できる限り、長く続けたい趣味の一つです。趣味に打ち込むのはほどほどに、これからも日々の研修を有意義に過ごしてまいりたいと思います。かえすがえす、周囲で支えてくれる友人や同期たち、お忙しい時間を割いてご指導くださる先生方には心から感謝を伝えたいです。これからもご迷惑おかけしますが、なにとぞよろしくお願いいたします。
 ペンリレー、次は中通総合病院研修医1年目の山川光平先生にお願いしたいと思います。彼の書く文章が楽しみです。拙文でお目汚し、失礼いたしました。今後、どこかでお会いすることがありましたらよろしくお願い申し上げます。
 
 ペンリレー <日曜音楽家> から