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<ペンリレー>

発行日2023/10/10
秋田厚生医療センター  久保田 弘樹
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おうち時間?
 
 ピロラ、エリス、グリフォン、バジリスク、ケンタウロス、アークトゥルス、クラーケン、ファイナルファンタジーかなんかの新作RPGのキャラクターやモンスターかと思うラインナップである。私のようなおじさん達が若いときに流行ったゲームだが、最近の20歳くらいの若者はファイナルファンタジーをあまり知らないらしい。仲間の強キャラっぽい名前のアークトゥルスは春の一等星の事で、他に同等級の星はスピカなどがある。途中で気づいた方もいると思うが、これらは新型コロナウイルスのオミクロン株の変異種の通称である。WHOはギリシャ数字が弾切れになりそう(残るはπ,ρ,σ,τ,υ,φ,χ,ψ,ωのみでνとξは諸事情により不採用)なので、新型コロナウイルスを懸念される変異株variant of concern;VOC(過去のVOCはα、β、γ、δで現在のVOCはοのみ)、注目すべき変異株variant of interest ;VOI、監視すべき変異株variant of under monitoring;VUMに分類する事とした。冒頭のちょっと悪ふざけ感のある通称名はVOIあるいはVUMに付けられている。大きく性質が変わる様な変異があれば次のVOC、πになると思われる。2021年末からずっとオミクロン株とその変異種が占めていることなどから、このまま大きな変異をしないで悪ふざけのような通称を付けられるような変異程度で留まって収束してくれないかなーというのが本音である。
 私が初コロナと対面したのは2020年3月、秋田の小児1例目の入院依頼が来たときで、イタリアで医師が数日間治療のため病院に防護服を着たまま寝泊まり、医師が100名以上感染し死亡、亡くなった症例の肺の異常な剖検像など恐怖心しか抱かないネガティブな情報で溢れていたので、戦々恐々として診察し始めたのを思い出す。実際には入院時、とても元気でこちらがN95マスクなどフル装備で診察する中、病室内を自由に動き回り、機嫌も呼吸状態も良く拍子抜けした。点滴も不要で風邪薬のみで2週間ほどの隔離をした。隔離が長くなった理由としてPCRで陰性にならないと当初は退院が出来なかったためである。あまりに隔離期間が長く、暇すぎるので子ども向けDVDを差し入れしたりした。5類になった今では入院したとしても1日点滴すると元気になり、2~3日目で退院するので思い返すと不思議な経験だった。
 それから3年以上経過したが発熱のため哺乳不良や食事摂取不良で点滴を要する様な症例や小学生で初回の熱性痙攣を起こす変な症例をまれに診る事はあったが、高齢者や注意すべき基礎疾患のある症例でみられるような重度の呼吸不全を起こしている例に遭遇していない。1例だけ可逆性脳血管攣縮症候群の激しい頭痛を訴える児がいたが、MRI室の汚染を防ぐため初期の血管像が撮れず、隔離期間後のMRIのみのため不十分な診断しか出来なかった。もちろん、基礎疾患を有する児を多く診る病院では、今でも緊張感の高い感染症だとは思う。
 ここまで書いておいて方針転換するのは変だがコロナばっかり書いてるのも変なのと、そもそもペンリレーの本来のテーマは趣味のようなのだ。最近やっていることはヘラクレスオオカブトの幼虫の飼育や熱帯魚のベタの飼育、ゲーム(ゼルダの伝説ティアキンは非常に面白かった・・・。)、映画などコロナのおうち時間満喫セットのようなものしかないので困っている。ニッチ過ぎる趣味だと思う。他の方が書いているような旅行や愛車紹介などが書きたかった。仕方が無いので、面白かった映画の事について紹介したい。インド映画の『RRR』が上記のようなコロナ、鬱々状態のときに鑑賞したら非常にすっきりしたので、何らかの理由で閉塞的になっている方にオススメしたい。詳しい映画の内容はネット記事やホームページなどに書いてあるので割愛するが、ざっくり書くとイギリス植民地時代のお話で激アツな友情や鬱屈した状況の打開がテーマのエンターテインメント大作。私が気に入った点は日本映画にない情熱(失われた情熱?)、ハリウッド映画にない泥臭さ、ミュージカルとも異なる独特のダンスシーンである。テンポも非常に良く、変な伏線ばかりでミスリードを楽しむような日本映画は見習って欲しい。何でこんなにエネルギーに溢れてるのかと考えると、人口14億人で世界1位、年間2,300万人出生、人口ピラミッドは若年層が多いきれいなピラミッド型~最近少し釣り鐘型、合計特殊出生率は2.0で日本の昭和50年までくらいの水準で活気がない方がおかしい。私も昭和男なので、幼少期の周囲の活気を覚えている。もしかしたら、映画に懐かしさも感じてクセになる面白さが生まれているのかも。ファイナルファンタジーが分からない世代になると、そもそも出生数(合計特殊出生率1.3)が少なく取り巻く環境が異なるので自分のような懐かしさのような感想は抱かないかもしれないが、それでも作中のナートゥダンスは久しぶりに開催されると思われる忘年会の出し物で使えるので一見の価値あり。
 纏まりもなく駄文を書いてしまいましたが、次回のペンリレーはたまたま小児科を研修していたために押しつけられた、研修医1年目の清宮美貴さんです。よろしくお願いします。
 
 ペンリレー <おうち時間?> から