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<ペンリレー>

発行日2022/08/10
元町形成外科  橋田 直久
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ペットの勧めのその後
 
 約7年半前、ペンリレーに「ペットの勧め」を投稿しました我が家の次女ウェルシュ・コーギー・ペンブローグの『茶々』は今年3月28日で10歳となりました。人間ではまだ小学校高学年ですが、ワンコではいわゆる「折り返し地点」です。でも我が家の茶々は相変わらずやんちゃなままです。毎日2回の散歩は欠かせず、天気が悪くて散歩できないと不機嫌そのもので、天気が少しでも回復すると散歩に連れて行けと言わんばかりの態度です。また、とても食いしんぼうで、ご飯は一瞬で平らげます。しかしながら、飼い主には決して媚びることはなくいつも一人で隠れており、私たちは「会えないペット」と認識しています。他の犬種では、毎日一緒に寝ているとかいつも甘えて懐いてくれるという話を聞きます。しかし茶々には一切期待できないのです。近寄ってくるのはあくまでもご飯(おやつ)と散歩の時です。一方、私たちに嫌がらせをする高度な知能を持ち合わせています。意にそぐわないことがあると、トイレ以外の場所に「おしっこ」をして私たちを困らせることがしばしばあります。しかし、いたずらもとても愛おしく思えるから不思議です。このように、子供が巣立ったあとの私たち夫婦にとっては三人目の子育ての日々を送っておりました。
 ところが今年5月のある日突然、茶々の頬が腫れて丸顔になりました。妻はふっくらしてかわいいとのたまっていましたが、直ぐに近くの動物病院へ連れて行きました。最初は歯肉炎と言われましたが、念のため実施したレントゲン検査と超音波検査で肝臓の近くに腫瘍が見つかり、CT検査と生検を勧められました。まさに青天の霹靂とはこのことでした。約1週間後、本院で全身麻酔下に検査を受けました。結果は良性の肝臓過形成でしたが、なんと脾臓にも腫瘍が見つかりました。高齢になると珍しいものではないとのことでしたが、このままでは破裂の可能性があり手術を勧められ、約1ヶ月後の予約をしました。この時は日帰り検査でしたが、帰宅してから茶々は元気がなく歩けなくなっており、ちょっとしたことで変な鳴き声を上げるなど別人(別犬)のようでした。その後少しずつ回復してきましたが大きな手術となるため大変心配でした。
 手術当日は、朝入院して午後開始となりました。約1時間半程度で無事終了したとのことで、夕刻説明を受けた後面会できました。麻薬でボケボケしていましたが、意外にも元気そうで安心しました。4日後退院となりましたが、驚いたことに入院する前よりはるかに元気になっていました。翌日から散歩を再開しましたが今までと特に変わりなく、この2ヶ月間は夢ではなかったかと思うほどでした。10日後に抜糸して終了となり、翌日入浴してさっぱりしました。お腹は剃られていますが創は全く気にならないようで元気に過ごしています。
 今回の出来事はとても大きなことでしたが、結果的にまた元気になることができ安堵しました。顔が腫れなければ見つからずに命を落としたかも知れず、診療に当たって頂きました先生とスタッフの皆様には感謝の言葉もありません。 今回は医師として患者様の家族の気持ちに寄り添える大きな機会を得ることができました。「会えないペット」の茶々ですが、一段と家族の絆が深まったように思います。これからは健康で長生きしてずーっと私たちを困らせ続けてくださいませ。ペットには子供と同様色々な出来事があると思いますが、是非会員の皆様にもお勧めします。ウェルシュ・コーギー・ペンブローグ、通称コギです。
 次回は秋田市医師会の理事でお世話になっています清和病院の藤枝信夫先生にお願いしました。どうぞよろしくお願いします。
 
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