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<ペンリレー>

発行日2022/06/10
秋田厚生医療センター  照井 幹司
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学生時代の挑戦
 
 秋田厚生医療センター研修医の照井幹司と申します。このたび市立秋田総合病院研修医の加藤珠恵先生よりご紹介いただきましたので寄稿させていただきます。テーマが自由ということでしばらく迷っていたのですが、大学生の頃に挑戦した思い出を、かつての記憶を頼りに書かせていただきます。アタック25というクイズ番組をご存じでしょうか。お昼の視聴者参加型クイズ番組として長く放送されましたが、昨年で地上波での放送を終了しました。当時大学2年生だった私は、CMでアタック25の予選会が開催されると知り、仲の良かった友人を誘って軽い気持ちで申し込みました。数日後、自分だけに当選通知はがきが届き、予選会の出場権を得ることができました。学生時代の私は、生活の何の役にも立たない雑学なんかは割と好きな方でしたが時事問題などの社会的な知識はさっぱりでした。(現在もです。)私はすぐに駅前のジュンク堂へ自転車を走らせ、就活用の一般常識の本を購入しました。当時は解剖学の追試も無事終了し自由な時間が多かったため、私は本の内容を頭に詰め込み、夜は各局のクイズ番組を見て予選会に備えました。そして当日、会場は秋田朝日放送の本社で行われました。参加者は40人くらいいましたが、大体がおじさんやおばさんで、自分のような大学生らしき人はいませんでした。中には開始直前まで勉強ノートを開いている人もおり、入学試験のような緊張感でした。試験は一問一答形式の筆記試験で、制限時間の割に問題数は多い印象でした。考える間もなくひたすら解答欄を埋めていくと終了のベルが鳴り解答用紙が回収されました。手ごたえはまあまあといったところでした。席でしばらく待たされている間、隣の席の人を見ると高校時代の数学の先生でした。話したことはなかったのですが確かクイズやディベートが趣味と言っていたような気がしました。話しかけてみると今まで十回以上予選会に参加し本戦で1位を取ったこともあるとのことで、いろいろな番組の裏側を教えてもらいました。最終的に取ったパネルの枚数×1万円が貰えることや、収録で少しは目立てるように各々事前アンケートに得意分野を書き必ず1問そこから出してくれる等のやさしいルールがあります。ただ、本戦の出場や優勝賞品の海外旅行を勝ち取っても日程はすでに決まっているので出られなければ権利は没収されてしまいます。またそもそも番組は年齢や職業等のくくりで大会を開き、それに合った人が都度オファーされる仕組みのため予選を通過してもオファーが無く終了の人も結構いるらしいです。そんな話を聞いていると、いかにも都会のプロデューサーらしき人物が部屋に入り筆記試験の合格者の発表が始まりました。合格者は5人ほどで、その中に自分と隣の先生の名前もありました。うれしい気持ちとこれから始まる面接の緊張感で頭がいっぱいでした。筆記試験しか考えていなかったのでその後の番組関係者との面接の対策は何もしていませんでした。5人だけが部屋に残され、一人ひとりと面接が始まりました。自分以外の参加者が番組への熱意をすらすらと述べていく中、自分の番が来て緊張はピークに達しました。まず一言目の声が小さすぎたため聞き返されました。その時点で、ああ終わったと思いました。終始プロデューサーの顔が曇っていたことは脳裏に焼き付いていますが、緊張のためその後何を話したかは覚えておりません。予選通過者には後日当選はがきが送られてくるとのことでしたが、自分には何も届くことなく徐々に記憶からも消えていきました。悔しい結果に終わりましたが、何も考えず飛び込んでみるというのは思わぬ出会いや発見があり、面白かったなあと思います。次にバトンを渡すのは秋田厚生医療センター研修医の香曽我部杜雄先生です。よろしくお願いします。
 
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