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<ペンリレー>

発行日2013/02/10
ながぬま内科  長沼 晶子
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今、夢中になれること
 
アロマとの出会い
平成16年、市立秋田総合病院の方から女性外来担当の依頼があり、その当時、話題にのぼっていた性差医療に興味を持ち、お引き受けしました。ところが、2年を少し過ぎたあたりで、自分の方が女性外来を受診したほうがいいんじゃないかな?と思われる程、体調が悪くなり、続けることを断念いたしました。不定愁訴とはよく言ったもので、突然の動機・のぼせ・頭痛・めまい・肩こり・不眠・冷え…挙げたらきりがないほどの症状が出現し、最後には食欲がなくなり、2週間で体重が5kg以上減ってしまう状態となり、横にならずにはいられないほど倦怠感が襲ってきました。当然!診療はできず、後輩の女医さんに代診をお願いし、休ませてもらいましたが、これが続けばもう閉院かと思うほどの状態でした。閉めるには膨大な量の患者さんの紹介状を書かねばと思うと、それを成し遂げる気力も持ち合わせてない状況でした。なんとか脱出できる方法はないか?とあらゆる方法を試してみるものも、なかなか効果が上がらず、焦りの気持ちもピークに達した頃、アロマと出会いました。

アロマの実践
何気なく部屋を見回したときに、娘が置き忘れて行ったアロマランプが目に入りました。当時、楽しみ方が判らなかった私は、上皿に直接、精油(植物の花・葉・果皮・樹皮・根・種子・樹脂などから抽出された、有効成分を高濃度に含有した揮発性芳香物質)を数滴入れ、すぐキャンドルに火をつけていました。部量中に濃厚ないい香りがすぐ漂うものの、上皿の中はあっという間に焦げてしまい、すぐ火を消すというのを繰り返し、これはおかしいと思い、アロマの本を購入。それには、上皿に適量の水を入れ、その中に好きな精油を1~5滴入れ、キャンドルに火を灯すとあり、なるほどと思いました。早速、その通りに実行してみると、部屋の中にいい香りと温かいキャンドルの明るさが灯り、気分がリラックスできるのが感じられ、どんどんアロマの世界へ引き込まれていきました。本には他の種々な楽しみ方が記載されており、芳香浴であれば、ティッシュペーパー・ハンカチやお湯をはったマグカップに1~2滴の精油を滴下し、香りを楽しんだり、手浴・足浴の際、3滴以下の精油を入れたり、半身浴・全身浴では、植物油(スイートアーモンド油・オリーブ油・マカデミアナッツ油・ホホバ油など)や天然塩に精油を混ぜて使用してみたりなど、それぞれの方法で、自分の気分がリラックス・リフレッシュできるようになり、癒しの世界の入り口が見えた気分でした。


アロマ石鹸作り
私は消化器が専門なので、患者さんのお腹に触れる機会も多く、その都度消毒しながら手洗いをしていると、手の皮脂がなくなって、皮膚がぴりぴり突っ張ってきます。診療中何度もハンドクリームを塗ってというのを、日々繰り返しているわけですが、消毒しながら潤いが残っていれば面倒くさくないし、また、手を洗う都度、自分の好きな香りが漂ってくれば、尚すばらしいと思い、1日体験石鹸教室へ2回挑戦しました。石鹸はなぜ固まるのか、泡立ちのいい石鹸を作るにはどうしたらいいのか、鹸化率とは何か、オリーブ石鹸は材料の植物油がオリーブ油だけになるが、マルセーユ石鹸になると、オリーブ油・ココナッツ油・パーム油の混合したオイルから成り、精製水で溶かした苛性ソーダを少しずつ加えながら、ひたすら手を休めず30分以上攪拌していくなど、知らないことばかりでしたが、限りなく自分だけのオリジナル石鹸ができる可能性があり、体力と時聞のあるときは、石鹸作りを考えている今日この頃です。使い心地は最高です!


スクール通い
アロマの本を手にしたとき、そこには日本アロマ環境協会という、日本で一番大きなアロマに関する協会があり、年2回検定試験があるという内容が戴ってました。秋田には、協会認定のアロマスクールがなかったので、仕方なく西目のハーブワールドへ行ってテキストと試験用精油セットを買い込んで、独学で2級・1級を受験しました。合格した後、講習会を受けて、アドバイザーにまでなったのですが、その上にインストラクターという資格がありました。独学だと一次のマークシートと午後の筆記試験があって、どちらも80点以上が合格というものです。その筆記試験が曲者でした。自分が書けたと思っても、筆記試験で落とされ、どこが出来てないのか一切の公表がなく、一次が受かっていても、次はまた一次試験から受け直しというものでした。内容は、アロマテラピーの定義・精油学(30種類)総論・各論・基材論・ホームケア論・健康学・アロマテラピーの歴史・解剖生理学・タッチング論・ボランティア論などです。スクール卒業生は、2次試験の筆記が免除されるという仕組みです、これは悔しいけど、受験勉強を延々とするわけにはいかないので、仙台のスクールへ通うことを考えていた矢先、秋田でも授業を展開してくれるということがわかり、秋田で授業を受け、卒業させてもらいました。インストラクターの資格も無事に取れました。よかった~~


セラピストへの道
自分としては、やはり石鹸にこだわりがあり、石鹸は人の肌に触れるものだから、トリートメント(精油によるマッサージ)も勉強したほうがいいかと思い立ち、インストラクターを取得し、1年半以上も経過してから、また、実技取得のためスクールへ通わせてもらいました。筆記試験は独学でと思っていたら、またしても一次のマークシートは通るものの、二次の筆記試験が通らず、自己採点では80点取れているんだけど、何か怪しいと思いながらも、日本アロマ環境協会の大きな組織には勝てず、また、学科もスクールへ通い、解剖生理学・衛生学・心理学・コンサルテーション理論および実践・ボディートリートメント理輪・アロマセラピストの心得を学びました。何と道のりの長かったことか!昨年12月、アロマセラピストの試験に無事合格し、これからトリートメント30症例のカルテを申請しなければなりません。医師でありながら、なんでこんなことをしているんだろうかと思いながらも、医学生時代あまりにも不勉強だったから、今、ここで復習しなさいということかと反省しながら、今後、学んだ事をどう生かしていこうか、わくわくしているところです。

ということで、いつの間にか更年期障害の症状も薄れ、スクールで得たアロマの仲間との楽しい交流も始まり、年齢も忘れて、今、アロマに夢中になっている自分がいます。

次回は、土崎医談会の大切な仲問である、鹿嶋雄治先生にお願いしました。

 
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