H先生に患者さんの事で電話をすると、このペンリレーのバトン(ペンリレーだからペンかな?)を二本受け取ってしまったので、患者さんを紹介してもらったお礼に一本あげると言って渡されてしまいました。エンガチョに似ていて、渡した方が勝ちのようです。 急な代役で思い出すことがあります。それは、大学4年の東医体冬季大会のことです。 大会最終日、ノルディック競技(当時はディスタンス競技と言っておりました)のリレーがスタートし、後は閉会式まで出番がなかったので、早々に宿に引き上げ、温泉に入っておりました。そこに後輩が駆け込んできて、出場予定だった選手が、練習中に自分の足にストックを刺してしまい出場できなくなったと。自分の足にストック刺すヤツなんているかぁ?でも、インカレ4部のジャンプでは転倒しても踏み切り台まで到達すれば自然に落下するので、記録がでることはでるのだとか。しかも、それで入賞したこともあると誰かがもっともらしく言っていました。まぁ、競技というより、ただの度胸試しですね。所詮、素人が出場すればそんなものです。更に後輩は、すぐに準備をして私に出場してほしいと。幸いBチームは現在最下位を争っているので、アンカーなら、これから準備しても十分、間に合います。でも何でオレなの? Bチームが使えるシューズのサイズが合うのが先輩だけなので何とかお願いします。オレはシンデレラかよ!当時から気が弱く、noと言えなかったため、渋々温泉から上がったのでした。 その大会は、我々が主幹校として田沢湖高原で開催しており、しかも私は大会実行委員長でしたので、他校にも面が割れておりました。そこで、帽子を目深にかぶり、ミラーグラスをして、顔を隠してスタートしたのです。 でも、私が青息吐息でバタバタ走っていますと、委員ちょぉー、頑張ってぇという黄色い声援が聞こえてきました。おぉ、女子医の連中ジャン。ばれてしまってはしょうがないと、手を振って声援に応えておりました。委員長として皆さんにご挨拶をしながら、最後の種目を盛り上げるために走っているんですよという振りをしたわけです。すると、バカ野郎、いいから早く走れと野太い罵声が届いてきました。そうなんです。私がゴールしないと競技が終了しないのです。だからみんなは早く引き上げたくて、私に声援を送ったり、罵声を浴びせたりしていたんですね。スタート時点でビリから二番目でしたが、当然のことですが堂々、最下位でゴールしたのでした。 つまり、私のピンチヒッターは期待できないということです。常時出場していないと力を発揮できないタイプなのかもしれませんね。 そこで、イモ洗いです。温泉が混んでいて、イモ洗いだったという話ではありません。 ある日、70代女性の患者さんが受診されて、頭が痛いのでイモ洗いをしてみたいとのこと。えっ、イモを洗っていたら頭が痛くなったんですか? 違います、頭が痛くなったので、イモアライをして欲しいんです。 ところで、皆さんは芋洗坂係長という芸人さんをご存知でしょうか?洋楽の替え歌を歌いながら、踊る、太ったオジサンです。 その芋洗坂係長が、私の頭の中で、カトちゃん、ペッをしながら、マイケル・ジャクソンのイッツ・バッドを踊りだしました。イカン、イカン!芋洗坂係長ではなく、頭脳を回転させなければ。頭が痛いのだから、その検査をして欲しいということだよなぁ。 イモアライ、イモアーライ、イムアーライ、エムアーライ。 虚空を見つめ、ブツブツ呟く私を見て、彼女は怪訝な顔をしていました。でも私は何事もなかったように言ったのです。MRIをして欲しいのですね?では、紹介状を書きますねと。 自分が一休さんになった気分でした。最近の言葉で言うところのドヤ顔をしていたに違いありません。でも、チョッと待てよ。これってオヤジギャグじゃない?そうです。何のことはない、私がオヤジだからわかっただけなのでした。 では次は片岡英先生にエンガチョ、でなくてバトンをお渡ししたいと思います。
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