会長挨拶
この6月に新しく秋田市医師会長に選出された松岡一志です。秋田市民の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。 大変な盛り上がりをみせたワールドカップサッカーでは残念ながら日本は一次リーグ敗退、ウィンブルドンテニスは私の応援する錦織圭選手の活躍はもうすこしやれたのではと少々残念ではありますが、来年以降に期待したいと思っています。 さて、皆様ご存じのとおり日本では恐らく歴史上例を見ない急速な少子高齢化が進行中です。秋田県では平成25年の65歳以上の老年人口割合は31.5%(全国25.1%)で老年人口割合では全国一となっており、平成18年以降は毎年1万人以上の人口減少が進行中です。先頃、秋田魁新報に7カ月で人口が1万人減り104万人を切ったとの記事が掲載されたのは記憶に新しいところです。秋田市でも平成17年にピークに達した後ゆるやかな人口減少に向かっており、今後も当分この傾向は続くものと思われます。 昭和22年から24年生まれの団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年問題は、前回平成24年の診療報酬・介護報酬同時改定時に急浮上してきました。その1年前に開かれた会議で、医療・介護サービス提供体制の効率化・重点化と機能強化が検討され、医療と介護の連携を旗印に地域包括ケアシステムと認知症対策の強化が打ち出されました。今年の診療報酬改定ではさらに明確に打ち出されています。 今後の医療を考えると、この地域包括ケアシステムと認知症対策は国策であり、避けては通れないものと思われます。 5月に日本医師会館で開催された第2回日本医師会在宅医療支援フォーラム、平成26年度在宅医療支援のための医師研修会に出席してきました。この中で地域包括ケアシステムについての解説があり討論が行われました。在宅医療については秋田市医師会では既に在宅医療研修会を開催して情報交換を行っておりますが、地域包括ケアシステムについては今後さらに行政の協力も得て重点的に推し進めていきたいと思っております。 認知症疾患医療センターに関しては既に県立リハビリテーション精神医療センターに秋田県認知症疾患医療センターが設置されておりますが、残念ながら大仙市協和にあるためアクセスが容易ではなく認知症あるいはその疑いのある患者や家族にとっては利便性に欠けていると言わざるを得ません。今後、秋田市内における対応について秋田市民の便宜を図れるよう検討して行きたいと思っております。 秋田市医師会立秋田看護学校は老朽化が進み、今後の対応策が問題になっております。今年度はまず現校舎の耐震診断を受け、その後の展開については前向きにかつ秋田市民の期待に応えられるような方向で検討したいと考えております。 秋田県医師会が主導する医療ネットワーク(あきたハートフルネット)が稼働目前です。少子高齢化が進行する秋田県にとって医療資源を有効に活用する解決策のひとつになるのではと期待されるシステムです。私は開業間もない頃から、診療情報伝達システムなどに関わってまいりましたが、残念ながらこれまでのところ成功したとは言いかねる状況でした。今回のあきたハートフルネットは病院、診療所間で双方向性に情報をやりとりできる全国にも例をみない画期的なシステムです。是非、このシステムの活用を図っていきたいと思います。 秋田市民の皆様には、ご意見・ご要望・ご提言等ございましたら、当医師会事務局までご連絡いただければ幸いです。 (平成26年7月22日)
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